ヤッカ語では語の活用(曲用)に伴って語幹の特定位置に特定の母音や子音がある場合、それが別の音に変化することがある。そのような現象を母音の場合は母音交替、子音の場合は(子音)階梯交替と呼ぶ。
本項目では、これら音韻交替の規則を示す。活用により交替が起こる条件については各品詞の変化表を参照されたい。
母音交替[]
語幹のアクセント位置に二重母音が存在する場合、それが語の結合によりアクセント位置でなくなったとき、及び、活用などにより単母音に変化する。
- 例1;leada 「飲む」 → lijeladulje 「飲酒」
- 例2;「降りる」 duohta(直説法非一人称) → dohtjem(直説法一人称)
母音交替 | ||||||||
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二重母音 | ie | ea | ae | ei | uo | oa | ao | ou |
単母音 | e | a | e | i | o | a | o | u |
子音階梯交替[]
語幹の特定位置に特定の子音(強階梯子音)をもつ語は、活用などにより弱階梯に変化する。特定位置とはすなわち以下の通り。
- 開音節で終わる語幹をもつ語においては、語幹末の母音の直前にある母音。
- 例;「根」salhtu(単数主格) → salzu-t(単数冠格)
- 閉音節で終わる語幹をもつ語においては、語幹末の子音。
- 例;「撒く」ruk-a(直説法非一人称) → ruh-ae(命令法)
子音階梯交替 | ||||||||||||||||||
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強階梯 | p | t | č | k | hp | ht | hč | hk | fp | st | šč | gk | mp | nt | nk | lt | rt | ř |
弱階梯 | v | l | j | h | v | z | ž | g | f | s | š | g | m | n | n | l | r | r |